投稿日:2019年05月19日

【札幌 弁護士コラム】「高度を高く取る」という事:企業や個人がリスクを回避するために必要なこと

昨日は月1回の年間プログラムの日でした。

月1回こちらのプログラムに参加していますが、その前後にご縁を広めたり(人と飲んだり)など東京に来る機会を有効活用しています。

 

さて、ビジネスは攻めと守りのバランスが重要だと言われています。

特に安定期まで至っていない企業にとっては、1つのチャレンジの失敗が会社の存続の危機を迎えるということもあり得ます。

このため、いかにリスクヘッジをするかということも重要な視点となってきます。

 

この意味において、企業が倒産する理由は、単純であり、キャッシュフローが回らなくなるというほぼ1点につきます。

このことからすると、キャッシュフローを確保することがまずは至上命題となります。

 

考えてみれば当然のことなのですが、必ずしもこのことが意識されていないケースもあるように思われます。

いわば「だろう運転」的に「この商品は当たるだろう」、「このサービスはヒットするだろう」、といった感覚に基づいて事業計画を進める、またはキャッシュフローが苦しくなってきた企業が「起死回生の一手」を狙うといったようなことも世間的には存在します。

 

しかし、そういった冒険的な経営判断といったものは、「高度高く取る」、すなわち余裕資金ができた状態でなければ本来あってはならないことです。

高度を高く取った上であれば、多少の失敗や、多少のキャッシュフローの流出があったとしても企業の存続には影響を及ぼしません。

そしてより高く高度取れれば、資金的な余裕があるため、大きな投資を行うことが可能となります。

企業が成長していくためにはこのような順序が非常に重要であるといえます。

 

このことは、単に金銭の問題だけではなく、個人においては時間の投資についても同様のことがいえます。

いわゆる「貧乏暇なし」状態において、大きなリターンを目論んで、そればかりに時間を投下するということも同様のリスクを抱えているといえます。

ここでも順序としては、まずは日銭を確保するために時間を投下し、徐々に数か月先に役立つことに目を向け始め、やがて1年2年先、10年20年先、ひいては人生全体に役立つようなことに時間を使っていくというプロセスが必要になります。

 

何事においてもまずは「高度を高く取る」、その上でリスクを取る、といった順序を意識する必要があるのではないでしょうか。