今日は朝から家族信託の決済が一件、昼から顧問先のご相談が一件、新規のお客様のご相談が一件、夜は顧問先との会食があり比較的多忙な1日です。
今日も1日全力で駆け抜けます。
さて企業の成長のボトルネックというと様々にありますが、やはり最近取り沙汰されるのは労働関係の問題です。
労働関係の問題と一口にいっても、昨日述べたような労働紛争の問題もありますし、労働力の供給の問題、老後に関するコストの問題なども存在します。
労働力の供給の問題に関しては、ご案内の通り少子高齢化が進み、若年層の採用が困難になってきているという現実があります。
また、労務に関するコストの問題というと、最低賃金の上昇などの金銭的な問題がもちろん存在します。
しかし、それにも勝るとも劣らない問題として、労働者と経営者の間で認識の齟齬が大きくなっているという問題が指摘できます。
これは単に経営者と労働者との間で年齢差があるということだけではなく、世代間の考え方の違いというものも大きくなっているのではないかというように思われます。
たまたまではありますが、Amazon Primeで「プロジェクトX」という番組を見始めました。
ご存知の方も多いと思いますが、「プロジェクトX」とはNHKで放送していた番組で、巨大かつ実現不可能と思われるようなプロジェクトに取り組み、成功を収めた人たちのドキュメンタリー番組です。
この番組自体が少し古いということもあり、取り沙汰されているプロジェクトに関しても高度経済成長期のものが多いのですが、当時のサラリーマンはサラリーマンといっても今のサラリーマンとはかなり雰囲気が違っている印象を受けます。
特に思うのは、プロジェクトに対する熱意が半端ではないということです(まぁそういう人だけを取り上げている部分がないでもないですが。)。
今は、そのような無謀ともいえるプロジェクトをやらせるとすると、必ず労働問題が起こると考えられますが(当時も労働争議等の問題は山積していたと思われますが)、当時は大きなプロジェクトに取り組む人は当たり前のように徹夜をする、会社に泊まり込むといったことをやっていました。
しかし、それは会社から強要されたというものではなく、自らが当事者意識を持って仕事に取り組み、自らの仕事を成功させようという強い意欲に基づいたものであると考えられます。
そのような世代の中で叩き上げられてきた現在の社長が、今の若年層の労働者と対等に話ができるかというと簡単ではありません。
このような背景をもとに経営者と労働者との間の認識の相違が広がっているのではないかと私は考えています。
このため労働問題が発生したときに、何が一番問題となるかというと、経営者の心に負担がかかってくるということです。
もちろん大企業になってくれば、個別的な労働者の問題であれば人事部や法務部マターとして処理できるのかもしれません。
しかし、中小企業になればなるほど、経営者自身が解決しなければならない問題となってきます。
このため経営者としては、考え方が理解できない労働者に対して悪感情を抱き、その他の前向きな業務運営が中断してしまいます。
これが実は会社にとって大きな痛手となっています。
このような問題を未然に防ぐことが実は今の中小企業法務にとって大きな課題になっていると考えられます。
当事務所で立ち上げた労務管理プロジェクトはこのような問題に正面から向き合っていきたいと考えております。
程なくプロジェクトの内容をお知らせできるかと思いますので、今しばらくお待ちをいただければと思います。