投稿日:2019年01月08日

【札幌 弁護士コラム】プロフェッショナルの仕事に対する力の入れ方の加減とは

今日は仕事に対する力の入れ方のお話です。

仕事においてどれくらいのクウォリティを保つかというのは常に問題となります。

もちろん可能であれば100%の力で仕事を行うのが理想的であるといえます。

しかし、様々な条件によって100%の力が出せないという状況も多々あります。

そのような中で業務効率化と仕事の品質との関係を考えた場合に葛藤が起こります。

ここで1つの視点として挙げられるのが、100%の仕事をしようとして準備に時間をかけ、結局のところ準備で力尽きてしまう事がしばしば起こるということです。

何かを完璧にやろうとするがゆえに、結局のところ何も成果を残せないまま終わってしまうということが指摘されます。

また、完璧にやろうとすると時間は無限に必要になってくるのであり、全ての仕事を完璧に行うということはほぼ不可能です。

しかし、結果として何も残せないのであれば評価としては0点をつけざるをえません。

それに対して、あまり十分な準備をせず、拙速であったとしても、何かしらの成果が残せたとすれば、1点以上の評価はつくことになります。

このような観点からすると、100%の力を出しているかどうかというよりも、まずは結果を残すという視点が大切になってきます。

その一方で100%の力を発揮しない仕事を続けるとどうなるか、という仕事に必要な能力の問題が生じます。

100の力を出せる人が常に90の力で仕事をしているとすると、どうなるでしょうか。

おそらく仕事をする力は徐々に弱ってきて、100の力が90になり、90が80になっていくということが起こりえます。

このような仕事の能力の減少と言うのはプロフェッショナルにとっては致命的なことであるといえます。

ここでこのような100の力でやるのが良いのか、それとも結果を残すためにある程度の力でやるのが良いのかということに関して矛盾が生じます。

この矛盾は容易に解消ができるものではありませんが、1つ考えられる事としては、プロフェッショナルとして自分1人しかできない仕事と、ただ時間を食うばかりで作業に近いような仕事を峻別することが挙げられます。

プロフェッショナルとしての仕事は常に100%ないし120%の力を意識するとともに、作業に近いような仕事についてはある程度のクオリティであればそれでよしとするか、又は人に委ねられるのであれば極力人に委ねていくといった姿勢はあり得るのではないでしょうか。

もちろんプロフェッショナルとしての仕事と、作業に近い仕事というものを簡単に峻別できるものではありませんが、1つの思考実験として考えてみても良いのではないかと思います。