投稿日:2018年12月14日

【札幌 弁護士コラム】契約書は定義語が命!

またしても東京に向かう電車の中で書いています。

ここ1週間で3回目の東京です。

さすがに今年はこれが最後になります。笑

 

さて、私(荒木)は契約書作成を一つの柱として業務を行っていますが、契約書作成というのは実は詩歌を作ることと似ているのかもしれません。

それというのも、詩歌の場合であれば作者が見聞きした情報を言葉に加工して、そのときの感情を短い言葉で読者に伝えるものですが、契約書の作成というのも依頼者が求める法律効果を聞き取ってそれに適切な法律用語や定義語をあて、書面にまとめて依頼者とその相手方に示すという作業であるからです。

 

そこで大切になってくるのが法律的な検討もさることながら、想定している事物や事実関係を正確に表現することです。

これが簡単なように見えてそう簡単でもありません。

 

不動産などであれば登記制度が確立していますので、契約書の中で不動産を指し示すときには登記された内容を別紙目録等として記載することで二義を許さない明確な定義とすることができます。

これに対し、名前がついていないものや物理的に存在しないものについては工夫を要します。

例えば未登記の建物などでは所在地が存在しないのであり、契約書に図面を付けるなどして特定をしなければなりませんし、債権などではその発生原因となる契約の内容を特定しなければなりません。

 

債権の特定については、通常、発生原因となる契約について以下のような内容を記載することによって特定がなされます。

(1)契約当事者

(2)契約締結日

(3)契約書名

これらに加えて(4)契約によって発生する債権の種類を記載します。

これらの記載は二義を許さない定義を与えるために必要なことといえます。

例えば契約当事者が決まっていたとしても、同じ当事者間で複数の契約をしている場合もありますし、1つの契約であったとしても複数の債権が発生している場合もあります(例えば賃貸借契約における賃料請求権と敷金支払請求権など)。

 

このように1つ1つの内容について的確な定義がなされていないと混乱が生じることになります。

これに対して「当事者間できちんと話した内容だから大丈夫だろう。」という意見もあります。

しかし、債権の消滅と当事者の交代(消滅?)とは必ずしも同時とは限りません。

債権は残ったまま、当事者に相続が発生したり、M&Aによって主体が変わったりすることになれば契約書を客観的に見るよりなくなってしまいます。

さらに当事者の記憶が薄れ、又は当事者の一方が悪意を持った解釈を主張してきた場合には紛争になってしまうのであり、紛争になった場合には見ず知らずの裁判官がその趣旨を解釈することになってしまいます。

 

そのような状況を踏まえ、契約書の作成にあたっては定義語をこれでもか!というほどに正確に使っていかなければなりません。

 

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年末年始に放談会、セミナー2件を開催します!

 

<イベント概要①>
イベント名:年末放談会~明るい2019年を迎えるための5つの心掛け~
講師   :荒木俊和
日時   :2018年12月26日 17:30-19:30
場所   :札幌市中央区北2条西10丁目2番地7 Wall地下セミナールーム
参加費  :5000円(懇親会費は別途4000円程度)
(アンサーズ法律事務所の顧問先様は1名無料)
申込方法 :①本イベントの参加ボタンをクリック(別途懇親会の出欠をメッセージ等でお知らせ下さい。)
②下記Googleフォームから申込み       https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeSKyETZD5usCM-F11oiY5mxm_Fr3CXvtZntJ1a2STTjqrI-A/viewform?usp=pp_url
③電話で申込み(011-252-9301)

FBイベントページ:https://www.facebook.com/events/342564573218932/

 

<イベント概要②>
タイトル:恋愛・結婚・パートナーシップ大反省セミナー(仮)
日時  :平成31年1月9日 18:30-20:30(セミナー)
21:00-23:00(懇親会)
場所  :プラット22
札幌市中央区北2条西2丁目 STV北2条ビル1階
http://www.plat22.com/access
受講料 :5000円(税込、懇親会費別途)

FBイベントページ:https://www.facebook.com/events/2187428388135806/