投稿日:2018年10月19日

【札幌 弁護士コラム】人の相談に乗ることによってもたらされる価値とは何か

今日は東京に来ています。
昼から心理カウンセラーの方と年明け開催予定の共同開催セミナーの打ち合わせ、 歴史アイドル(!)で シルバー人材紹介ビジネスをされている方とのブレインストーミング的打ち合わせを経てホテルでこの記事を書いています。
この後公認会計士の先生と会食予定、 さらに元同期の元弁護士と飲み会の予定となかなかのハードスケジュールでございます。
心理カウンセラーの方とのセミナーに関しては改めてご連絡差し上げますが、なぜか恋愛をテーマにしたセミナー(!)ですのでご期待ください。

さて私のやっている弁護士という職業もそうですが、世の中にはお金を頂いて人様の相談に乗るという仕事があります。
相談に乗るだけでは何らモノは生まれていないようにも見えますが、 不思議なことに商売を突き詰めていくと相談に乗ることが全ての価値提供に至っているということもあります。
このことから相談に乗るということがいかなる価値を生み出しているかについて敏感になる必要があろうかと思います。

なぜお金を払ってでも 第三者である人に 相談をするかという理由について考える必要があります。
一つの解としては、 身内には相談できないようなセンシティブな問題が起こっているという事情があります。
例えば離婚の相談を家族にすることが難しい場合もありますし、 債務整理を会社の上司に相談することが難しいということもあろうかと思います。
そのような意味で直接的な利害関係にない第三者に相談をするという需要が生まれるわけです。

また私のように法律の専門家であればもちろん法律知識が必要となる事案において、解決に必要な法律知識を得ようと相談にいらっしゃることも一つの理由にはなります。
しかし、専門家側から見ると勘違いしてならないのは、専門的な知識を渡せば問題が解決するというものではないということです。
専門的な知識というのは単なる、ツールですので個々人に合った解決を提供するということと、専門的な知識を渡すだけということは同じように見えて全く違うことです。

さらにカウンセリングのような要素を持った相談であれば、相談に来て話を聞いてもらうだけで心が安らぐと言ったような効果もあります。
これも何か金銭的な価値を生み出しているようには見えませんが実は非常に大きな価値提供になっているということもあります。

このような相談に関する効用については細かく考えていく必要があります。
相談に関する価値を様々に見出すことができれば、ビジネスの組み立てにおいても非常に大きな価値を生み出すことができるわけです。
IoT や AI の発展に伴って自動化技術が進んでいる現代社会でありますが、人が人として価値を提供することができる大きな部分を占めるのが実は相談なのではないかと考えています。
これから消えていくと言われている仕事をされている方にとっては、このような相談の価値について十分に考える必要があるのではないでしょうか。