投稿日:2018年06月17日

【札幌 弁護士コラム】「みんなクソだな(-_-メ)」などと喧伝する危うさとは

SNS全盛の時代にあって、個人が情報を発信する、又は発信しているつもりがなくとも他人に情報が伝わることが日常的な社会になっています。
このような社会において、SNSを初め、情報を表に出すということはメリット、デメリット両面をはらむものになっています。
このため、情報を表に出すことについては過剰なのではないかというくらいに気を付ける必要があるのではないかと考えております。

そのような前提で見たとき、とあるSNSのプロフィールページに「みんなクソだな(-_-メ)」(顔文字は多少違ったかもしれません。)と書かれている方をお見受けしました。
信頼している人に裏切られたのか、仕事で嫌なことがあったのか、どのような前提でこのようなことを書いたのかはよくわかりませんが、見ている人の多くには前提は伝わらず、この「みんなクソだな(-_-メ)」という字面だけがさらされることになってしまいます。

 

このような書き込みを見たときに、見た人はどのような印象を受けるのでしょうか。

おそらく多くの人は「なんだかヤバそうな人だな…」とか「あまり近づきたくないな…」などと思うのではないでしょうか。
このような意味で対外的には全くプラスにならない書き込みであるといえます。

一方で、書いた方個人の内面的な問題としてみた場合にはどうでしょうか。
この書き込みをすることによって「ああ!すっきりしたー!!」「明日から頑張る活力が湧いてきたー!!」と思うのであれば一定の意味があるかもしれません。
しかし、想像にはなりますが、このような書き込みを行うことで気持ちが前向きになることはなく、却って怒りが増幅されたり、虚無感が募ったりするということになるのではないでしょうか。
これを書いたことによって良い結果を生み出す行動にはつながらないということです。

以上のことからすると、冷静に考えると、おそらくこの書き込みを行うことによってメリットは何もないことになります。
ではなぜこのような書き込みをしたか、ということですが、一番考えられるのは何らかの感情による情動で書いてしまったということでしょう。
やるせないこと、納得のいかないことなどがあれば、そういいたくなる気持ちも分からなくはありません。
しかし、情動だけで動いているのであれば原因は解決できませんし、今後の結果を変えることもできません。
大切なのは、情動を超える感情コントロールを行うことにあります。

感情をコントロールすること自体も簡単なことではありませんが、少しでも意識して、情動をなくしていくということも自らの望む結果を生み出すためには必要なことではないでしょうか。