投稿日:2018年06月08日

【札幌 弁護士コラム】部分的解決は必ずしも全体的解決ならず

昨日はスモールサンゼミで店舗のデザインなどを数多く手掛けていらっしゃる神谷利徳さんのお話を伺いました。

<神谷デザイン事務所 HP>
http://www.kamiyad.jp/

そこで伺った名言、

「デザインだけでは何も解決できない。」

この言葉の真意というのは、「中身のないものの表面だけをデザインで取り繕ってみても、売り上げは伸びないし、依頼者の真の問題解決にはならない。」ということのようです。

私はこの言葉を「まさしく!」と思ったわけですが、それというのも実は専門職に携わる人は共通に思っていることであるからです。
専門職に携わるということは、基本的には部分的な解決しかできません。
例えば、医師であれば健康に関することしか関わりませんし、建築家であれば建物に関することしか関わりませんし、法律家であれば法律に関することしか関わらないのが通常です。

しかし、クライアントのニーズというのは、そのような専門領域にとどまるものではありません。
本来的には、行っている活動、事業に関する全体的な問題、ひいては人生全体の問題を課題として持っているのです。
これを解決するためには専門領域の部分的な問題を解決するだけでは事足りないのです。

専門家は専門領域の問題を解決するのは当然ですが、本来的には専門領域の部分的な問題解決を通じて全体的な問題解決に思いを致さなければならないのではないでしょうか。
この意味で私が「訴訟だけで問題は解決しない。」と述べていることとつながってくるわけです。

「訴訟を通じて解決すべきことは何か。」

そのような問いをもって業務にあたらなけれればならないと考えている今日この頃です。