今日はこれから家族信託案件の実行に向かいます。
実行というのは、委託者と受託者との間で信託契約を結び、不動産に関して登記を行い、信託口口座を開設して金銭の移動を行うことをいいます。
今日は実務的なことですが、信託の実行にあたってどのようなものが必要になるかお話したいと思います。
○信託契約の締結
信託契約の様式は自由ですので、特に何か書類が必要ということにはなりません。
公正証書で作成する場合には契約当事者である委託者及び受託者の身分証明書及び印鑑が必要になります。
○信託の登記
信託の登記においては以下のような書類が必要になります(ケースによりますので、都度司法書士に確認してください。)。
・登記識別情報(権利証)
・登記原因証明情報(信託契約書)
・委託者の印鑑証明書
・委託者及び受託者の住民票
・委託者及び受託者の身分証明書
・最新の固定資産評価証明書
○信託口口座の開設
信託口口座の開設にあたっては、開設する金融機関によって必要書類が異なります。
近時、メガバンク(三菱UFJ、三井住友、みずほ等)でも信託口口座の開設が可能になりましたが、これらの金融機関では基本的に信託契約書を公正証書で作成することが求められます。
金融機関によっては事前に信託契約書のチェックを行うというところも存在します。
私のお客様がよく使う某金融機関では、現在のところ、公正証書を作成することは必要とされておらず、かつ内容の審査も厳密には行われていないため、出来上がった信託契約書を提出することで足りています。
この金融機関では、受託者の身分証明書の提出で口座開設が可能となっています。