投稿日:2018年03月06日

【札幌 弁護士コラム】ある菓子店での出来事:あなたの事業はどこで評価されているか

先週末、今週末、来週末と東京出張が続いています。

セミナーへの参加などが主要なプログラムですが、東京の街を見たり文化に触れたりする(≒旨いものを食べる)のも1つの目的になっています。

そんな中でたまたま立ち寄ったお菓子屋さんで、事業がどのように評価されるのかについて考えさせられる出来事がありました。

 

私は出張に行ったときには、何の気なしに事務所のスタッフにお土産を買って帰ることが多いのですが、せっかくということでそれなりに評判をリサーチしてお土産を選んでいます。

先週末も多少の時間ができたため、おいしいお土産を求めてリサーチをして、とあるお菓子屋に向かいました。

 

そのお菓子屋さんは製造販売を同じところでやっているのですが、店舗側はかなりの狭小物件。

先にやや大柄のお客さんが入っていたのですれ違うことも大変なくらいでした。

店員さんが2人いてその先にいたお客さんがレジ待ちをしていたのですが、クレジットカード決済がなかなかできない模様。

私のほうは既に買うものが決まっていたのですが、2人の店員さんがクレジットカードの機械をああでもない、こうでもないといじっており、私ほうに構うような様子もない状況でした。

 

やや10分ほどしてクレジットカード決済が進まないと判断したのか、ようやく私に向かって「お決まりでしたでしょうか。」と声を掛けてくれました。

(10分前から決まってるんだけどな…)と思いつつもお土産のお菓子を注文。

福利厚生費にあたるとの解釈のもとに「領収証を頂けますか。」と言ったところ、「え…?領収証…。」と何やら慌てた様子を見せ始めました。

そうすると複写式の領収証の使用済みの部分に金額を書き始めるではありませんか。

私が「いや、そこは違うと思うんですけど。」と言ったところ、「え…!」と言って慌ててページをめくり、複写式の下の方(客に渡すほう)に金額を書き始めました。

私は「いや、複写式なのでそこも違いますよ。」と言ったところ「あ、すみません、すみません。」といって再度の書き直し。

結局店に入ってから商品を頂くまでに20分以上かかりました。

 

こういうことを書くと「アルバイト相手に目くじらを立てて大人げない」と思われるかもしれませんが、私が言いたいのはアルバイト相手に腹が立ったということではありません。

このお菓子屋さんの経営者の事業に対する見方に隙があったということを言いたいのです。

このお菓子屋さんの経営者はお菓子の味に自信を持っており(評判になっていたくらいですから。)、お菓子の味を極めれば繁盛すると考えていると感じ取れました。

しかし、客側としては、これだけ不毛に待たされてしまうと、お菓子の味云々の前にもう一度リピートしようという気持ちは微塵もなくなってしまうのです。

要するに、戦う前に決着がついてしまっているのです。

 

このようなこととはこの菓子店だけではなく、どんな業種でも起こりうることです。

例えば、電話応対が悪い、来客時にスムーズに案内ができない、アポイントの時間を変更される、店内や事務所内が不潔など、商品やサービスの本質とはいえない部分で売上げを落としているということも多々見受けられます。

このように本質部分での勝負に至らない不戦敗を避けるためには、事業の隅々にまで絶えず気を配る不断の(普段の)努力が必要なのではないでしょうか。