総務省の統計によるとスマホの世帯普及率は70%だとか。
弁護士が見たスマホと法律問題の意外な関係とは。
…ということで今日は意外と珍しく本当の意味でのコラム的なお話です。
弁護士業務というと「裁判」というイメージが未だに強いのですが、(私が専門にしているマニアックな業務分野だけではなく)離婚、債務整理(破産)、成年後見、相続手続といった分野も弁護士の業務分野です。
裁判以外の仕事というとどれもバラバラのように思えますが、簡単にいうと「依頼者の財布の中身をひっくり返して整理整頓する仕事」と要約することができます(多少の異論はあるかもしれませんが。)。
このため、私もひと財布の中身をひっくり返す作業をよくやります。
そこでいつも気付かされるのは通信費の高さ。
この通信費で大きいものは大半がスマホの料金であり、今時、固定電話やインターネット代といったものが高額になっているようなことはまずありません。
もう一つ言えることとしては、収入の多い人も収入の少ない人もスマホ代にかける金額は大差がないということです。
むしろ何となくのイメージとしては収入が平均よりも低い人のほうがスマホ代が高いようにも思われます(統計的に間違っていたらすみません。単なる荒木のイメージです。)。
そうするとどうなるかというと、「お金を持っていない人のスマホ代の割合は非常に高い」ということになります。
よく「お金がないとエンゲル係数が高い」と言われていましたが、現代においては「お金がないとスマホ係数(?)が高い」というようなことが言えるのかも知れません。
食費の割合を示すエンゲル係数が高くなるのは生きるためにやむを得ないことだと思いますが、スマホ係数が高くなるというのはどうも容易に理解することができません。
逆に考えると「スマホに依存すると収入が下がる」という命題になりますが、これは確かにそうかもしれません。
それはそうとしても「生活が苦しくなっても、時間が苦しくなってもスマホはやめられない」という一種病的な状況が生まれている人も多いようになってきているように思われます。
スマホをいじることにメリットが全くないわけではないのですが、じっくり腰を落ち着けて読書をしたり、静かな部屋で沈思黙考したり、尊敬する人の話をゆっくり聞いたり、長時間をかけなければならない1つの作品を制作したりするような大切な時間を奪われていることも反面で意識しなければならないのではないでしょうか。
そのように時間を奪われていることで結果が逓減していく人生になってしまい、離婚、債務整理(破産)、成年後見、相続といった法律問題につながっている部分は否定できないように思われます。