最近、野口悠紀雄教授の「世界史を創ったビジネスモデル」という本を読みました。
「世界史を創ったビジネスモデル」(Amazon)
ローマ史を中心に語る前半と、今を時めく企業の記述がどうも断絶していたように思われる部分もありましたが、「歴史に学ぶべき」という姿勢が一貫しており、読んで損のない本だと思いました。
(ただ、私はカタカナに弱いため、読み進めるたびに睡魔に襲われ、さながら二〇三高地攻略の如く、読み進めるのには難航しました。笑)
それはさておき、その本の一節にイーライ・ホイットニーの話と、ジョン・サッタ―の話が書かれていました。
ホイットニーは、コットンジンという綿織機を開発した人で、開拓期のアメリカにおいて綿織物に必須の機械を発明したことで一躍有名になりました。
また、サッタ―はカリフォルニアに広大な土地を持っていた入植者であり、ゴールドラッシュの舞台になった土地を保有していた者でした。
この2人は一見、大変恵まれた境遇にあり、大金持ちになっていそうなものですが、実はさほど大金持ちにはならなかった人物として取り上げられています(大金持ちにならなかったのがダメだという趣旨ではないです。念のため。)。
それというのもこの2人に共通しているのはビジネスを伸ばし続けたのではなく、人生を訴訟に捧げてしまったということです。
すなわち、ホイットニーの場合、織機を模倣する業者が続出し、(当時そのような言葉があったかわかりませんが)侵害訴訟を提起し続けたことによって精力をささげてしまい、サッタ―の場合、自己の所有地内に不法侵入してくる輩に対する訴訟(妨害排除請求?)に終始して、それぞれの一生を終えてしまったそうです。
こうしてみると非常にスケールの大きい話のように聞こえるかもしれませんが、同様のことは現代日本人の一般的な人や企業においても起こりうることです。
それくらい、訴訟は費用と手間と労力を要するものであるといえます。
そうであるからこそ、「訴訟を回避しよう」とか「法的な問題を未然に防ごう」という方向に考えが及んでもよさそうなものです。
ちなみに、アンサーズ法律事務所では、紛争予防や紛争回避のノウハウをご提供しております。
ご関心の方は下記をご参照くださいませ。笑
<アンサーズ法律事務所 顧問業務のご案内>
http://answerz-law.com/advisor