昨日から事務所は年末年始休業に入らせて頂いております。
昨日は年末の一大イベントである我が家での忘年会を開催しました。
延べ20名ほどの方にお越し頂き、今回も大盛況でした。
お越しになって頂いた皆様、ありがとうございました!
さて、そんなわけで今年も一段落したわけですが、年末にかけて契約書のご相談を多く頂きました。
契約書のご相談の中でも多いのが、要約すると「内容がよくわからなかったけれども、ハンコを押してしまった。」というものです。
内容をよくわからずにハンコを押した場合、法律的にはどうなるのでしょうか。
この場合、ハンコを押した状況に応じて3つの結論があり得ます。
まず1つ目は、契約書の内容通りの契約があったと認められる可能性があります。
「可能性がある」というよりは「原則的には契約があったと認められる」といったほうがいいかもしれません。
契約があった、なかったで紛争に発展した場合、最終的には裁判所の判断を仰ぐことになります。
このとき契約書は動かぬ証拠として非常に高い価値を持つことになります。
裁判になったところで「このような契約内容は知らなかった」と主張しても、契約書に匹敵するほどの別の証拠が出せなければ契約がなかったと認められる可能性は相当程度低いものとなります。
次に契約の効力がないと認められる可能性があります。
これには(1)契約自体が存在しない(又は無効)と認められる場合、(2)契約が取り消せる場合とがあります。
(1)については、契約書にハンコを押したものの、真意に従って押したものではないと認められる場合であり、上記のとおり、契約書を覆すような別の証拠とストーリーが必要となります。
契約書があるにも関わらず契約が不存在と認められることは相当にハードルが高いと考えて頂いたほうがよいでしょう。
(2)については、契約の相手方や第三者がだましてきたり、脅してきたりした場合に意思決定がゆがめられたとして、契約を取り消すことができる場合です。
これについてもだまされた、又は脅されたということについて十分な証拠が必要となります。
もう1つが契約書に書いてある内容どおりではないものの、一定の契約の存在が認められるという場合があります。
これについても、契約書にハンコを押している以上、その内容とは違ったとする相当程度の証拠が必要です。
契約書通りの内容で契約に合意したわけではないものの、一定の契約があったことが認められ、かつ契約書で書かれていないことの合意が別になされていたことが認められることが必要です。
いずれにしても「よくわからずにハンコを押したから契約はない!」という主張を通すことは容易なことではありません。
ハンコを押す際には細心の注意を払うよう心がけましょう。
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