投稿日:2017年12月24日

【札幌 弁護士コラム】しっぺ返し戦略の優位性とは

今日はクリスマスイブですが、競馬ファンにとってはそれ以上に大事な有馬記念の日。

午前中は仕事をしていましたが、午後は有馬記念の予想にシフト。

結果は…企業秘密ということにしておきます(笑)。

 

さて、事業戦略を策定するにあたってその前提となるのが、意思決定の基準です。

いかなる条件においていかなる意思決定を行うかの基準がなければ方向性が定まりません。

その中でも一番大きな基準と言えるのが「相手を信じる基準」であると思われます。

 

「相手を信じる基準」とはかなり抽象的ですが、ビジネスにおいて例えていえば、お金を貸すときに担保を取るかどうかとか、代金を前払いでもらうのか後払いでもらうのかとか、報告を求めたり立入検査を行ったり監督するのかとか、様々な場面に現れるものです。

取引相手を選ぶにあたって、帝国データバンクや商工リサーチのようなところのじょうほうを利用して信用調査を行うようなこともその一つであるといえます。

 

このような基準を設けるにあたっては審査項目が多くなることもあると考えられますが、最も基本的な考え方とするべきは、「まずは寛容に、裏切られたら自分も裏切る」という戦略が一番有効なようです。

これはとある学者が行った実験で明らかになったようですが、このように極めてシンプルな結論に落ち着いたようです。

これに反して「どれだけ裏切られても寛容であり続ける」という戦略や、「どんな状況であっても裏切り続ける」という戦略では、最終的には芳しい結果は出ませんでした。

 

このような「まずは寛容に、裏切られたら自分も裏切る」という戦略を取ることは簡単そうに見えますが、実際に行うとなると実は自分のマネジメントがかなり重要になります。

すなわち、「寛容である自分」と「裏切る自分」という人格的な二面性を抱えることになるため、「多重人格のマネジメント」必要になります。

これが正確にできるようになるためには自己を律する訓練が必要になります。

 

いい人過ぎてもいけない、悪い人過ぎてもいけない、というバランス感覚というのはなかなかに難しいものです。