投稿日:2017年12月05日

【札幌 弁護士コラム】忘れられてからが商売、当たり前になってからが勝負

世の中にはいつでも「流行語」なるものがあります。

単に有名人の発した言葉であったり、ヒット商品の名前だったりもしますが、新しい技術や仕組みについても一定の流行があります。

 

例えば最近だと「働き方改革」だったり、「IoT」だったり、「暗号通貨」だったりと、はやりの言葉は様々な技術や仕組みに分散しています。

このような言葉はある一定のタイミングを境にして爆発的に目にする頻度が上昇します。

その一端を担っているのはやはりマスコミであることが多いように思われます。

 

しかし一方で「働き方改革」や「IoT」や「暗号通貨」が現在においてビジネスとして十分に成熟しているかというとそうではありません。

ごく一部の人はこれらの制度や技術を利用して儲けているケースもあるでしょうが、まだまだこれから伸びる余地があり、逆にどこかに脆弱性や消滅するおそれを内包しているように考えられます。

 

それというのも流行語を流行させるマスコミは常に新しい言葉を追い求めなければならないのであり、技術や仕組みをビジネスとして形にするためには流行語を作る時間に比べて圧倒的に長い時間がかかるからです。

すなわち、言葉だけが先行して、中身のあるビジネスとなるスピードが追い付かないということです。

 

このように考えてみると、私が意欲的に取り組んでいる家族信託についても同じことが言えるのではないでしょうか。

家族信託の前提として相続の問題がありますが、これが取りざたされたのが平成27年の相続税改正のタイミングであり、家族信託が取りざたされるようになったのは相続の問題が一般に認知され始めたタイミングでした。

家族信託はこれまでの相続対策の仕組みを打ち破るかのようなセンセーショナルな取り上げられ方をしたような節もあり、流行語といってもいい状況がいま生じているように思われます。

そうであるとすれば現在はまだ、家族信託にとっては言葉を広める時期であり、これからビジネスとして成長していく時期に差し掛かったところではないかと考えることができます。

 

事業者にとって大切なことはそのようにビジネスが隆盛を誇り始めた時期にトップランナーになっていることであると思います。

その意味ではここ3年程度はかなり苦労を重ねてきましたが、その甲斐あって北海道における家族信託分野ではそれなりの知名度を頂くようになりましたので、今後の家族信託業界全体の成長を楽しみにしているところです。

 

「継続は力なり」などといいますが、このように考えてみるとコツコツした努力が結果を変えるということが実感できます。

 

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