昨日は知り合いの社労士さんと飲んでいました。
軽い気持ちで集まりましたが、途中からガチの仕事論に。
議論はいかに遵法精神の企業に相対していくかという話になりました。
そもそも士業とは実は理想と現実のギャップが激しい職業ではないかと思っています。
すなわち、弁護士でいえば基本的人権の尊重と社会正義の実現を目的として弁護士が存在しているものとされていますが、現実はそうではありません(もちろんそのような理想を求めている先生もいらっしゃいますが、多数がどうか、ということで受け止めて下さい。)。
例えばこのような理念の下位規範として弁護士には真実義務というものがあります。
真実義務とは簡単にいうと真実と思うことのみを主張立証すべき義務です。
私(荒木)が頻繁に出す話ですが、双方の代理人が本当の意味で真実を追求しようとしたらそれほど訴訟なんて起こらないはずです。
どちらかの、又は両方の弁護士は「この点はこういうことにしておきましょう。」ということで自分の有利な事実に引き付けようとすることで訴訟が誘発されていることが多く存在します。
そのようなことはどの士業にもあって、弁護士以外の士業では基本的に裁判には関わらないものの、行政に提出する書類の偽造や変造等はよく聞く話です。
これに対して、「多少グレーなことをやらなければ使ってもらえない。」という話もよく聞くところです。
しかし、私はこのような圧力に負けて違法性の伴うような行為(弁護士でいえばばかげた主張を含む。)を行ってはならないと考えています。
いろいろな理由はありますが、まずはそのようなグレーな行為を行いたがる企業はまず成長しないということです。
いくら士業がグレーなことに加担して、その件ではうまく行ったとしても、それ以降、同じことをするためにはリスクをともなうことですし、そもそもグレーな行為を行わなければ企業を維持できなくなるレベルでは、企業の存立基盤が十分でないことは明らかであり、早晩経営が行き詰まることは想像に難くありません。
さはさりながら、これまでやってきたいきなりグレーなことをやめると、大抵の企業は即死してしまいます。
そこが士業の真の腕の見せ所ではないかと思います。
士業がやるべきことは、本来の理念や筋道を企業に対して示し、その方向に向かって進むように徐々に軌道修正を加えながら企業とともに歩んでいくことではないでしょうか。
これは非常に時間のかかることかもしれませんが、本当に必要とされているのはこのようなことができる士業なのかもしれません。
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