投稿日:2017年10月03日

【札幌 弁護士コラム】さして成熟していない果実を刈り取ろうとすることの愚

10月に入って札幌はめっきり寒くなってまいりました。

特に私(荒木)のように自転車通勤をしていると、文字通り身に染みて季節の変化を感じます。

あとどれくらい自転車通勤できるのかと考えてしまいますね。

 

さて、ビジネスの世界でやってしまいがちなミスとして「刈り取るタイミングを間違える」ということがあります。

よく営業が嫌われるというのはこのミスを重ねてしまうことに由来しているのではないかと思います。

 

「刈り取る」とは簡単に言えば売り込むことです。

営業が売り込まないで何をするんだと思われるかもしれませんが、売り込みをするのは顧客が買ってくれる気になった一瞬のことであり、それまでの人間関係の構築やニーズの聴取をすることが本来の仕事ではないかと思います。

人間関係としての信頼関係を構築し、そのうえでいかなるニーズが存在するのかを明らかに受け止め、最終的な提案につなげていくのが理想の形です。

 

しかし、これがきちんとできている人はそう多くないように思います。

私も保険だのウェブサイトだの投資商品だの色々と営業を受けてきましたが、大半の場合は「あぁ、来るんじゃなかった。」とか「あぁ、聞くんじゃなかった。」と思うことばかりでした。

挙句、「〇〇さんの紹介で来ました。」とアポなしで事務所のチャイムを鳴らしてくる人まで出てくる始末です。

こんなことをしていては紹介した方のレピュテーションまで一緒に下げてしまうだけです。

 

このような根本的な原因は、心を相手のほうに向けることなく、自分のところに置いたままで話を進めようとすることにあります。

心を相手のほうに置こうと思えばそんなに性急なことはできず、関係性を熟成させる期間が必要であるはずです。

言ってみれば「青柿を棒で叩き落す」のか「熟した柿が落ちてくるのを待つのか」の違いのようなものです。

考えてみれば自明のことではありますが、「熟した柿が落ちてくるのを待つ」ビジネスを心がけたいものです。