最近、ビル・ゲイツに関する記述のある本を読んでいるのですが(別に書名を隠すわけではないのですが、すぐに出てこないため書いていないだけです。笑)、そこでビル・ゲイツの問題解決法が書かれていました。
それというのが「問題を切り分ける」という方法です。
例えば、顧客が自社のサービスに対して大層憤慨している、ということが明らかになった場合、どのように対処するでしょうか。
多くの人は「サービスの内容を見直す」という方向で考えるのではないでしょうか。
これに対して、「問題を切り分ける」という分析を挟むとすると、実はサービスの内容の問題ではなく、単に担当者と顧客との相性が悪かっただけで、担当者を交代させるだけで簡単に解決してしまうということが起こり得ます。
一方、この発想は法律問題の解決にあたって必須の考え方であるといえます。
すなわち、よくあるご相談で「もめ事になってしまって、どうしたらいいのかわからない。」ということでご相談にいらっしゃる方がいます。
このような方はまさしく「問題の切り分け」が全くできない状態に陥ってしまっているといえます。
弁護士の仕事はこのような問題を法律の問題なのか、法律の問題ではないのかを切り分ける仕事であるともいえます。
その反対に解決をどう図るか、という点においても「問題の切り分け」ということが重要になります。
すなわち、紛争を金銭の問題ととらえるのか、法律的な正義の問題ととらえるのか、家族やコミュニティの不和の問題ととらえるのか、相手方の謝罪意思の問題ととらえるのか、様々な問題と考えることができます。
その出口の問題に関してもいかなる問題と考えて解決に臨むかが重要であるといえます。
依頼者の納得度の高い和解を進められる弁護士は、このような問題の切り分け能力が高いと考えられます。
魑魅魍魎とした生の事実の中から、ポイントとなる問題を見つけ出し、解決を図る。
実はこのようなことが弁護士業務の醍醐味であったりします。