投稿日:2017年09月03日

【札幌 弁護士コラム】似て非なる商品提供の価値

昨日は知人と競馬観戦の後、仕事の話をしつつ一杯やってきました。

その最後の店でスープカレーを食べようということになり、最近できたとある店に行ってきました。

 

その店というのが、評判の高かった店を業態転換し、スープカレーだけでなく、酒も提供するようになったところです(一説には事業譲渡して全く違う母体で営業しているという話も聞きました。)。

私(荒木)はその前の店のスープカレーが相当に好きで、期待していきました。

しかし、そこで提供されたスープカレーたるや、惨憺たるものでした。

まずスープの風味が全然違う、鶏肉は硬くてパサパサ、ゴボウは下処理がなっていないのでえぐみが前面に出ているなど、全くもって残念なシロモノでした。

 

その店を批判したいわけで言っているわけではないのですが、どうしてここまで変わり果ててしまったのかという過程については非常に気になります。

スープカレー店などは評判がほぼすべてのような業態であり、一旦悪評が立ってしまうと挽回が困難な業態であると考えられます。

当然それは承知の上で、この新店舗においても、おそらくは前の店のレシピが提供され、一定の品質確保の努力はなされていたのでしょう。

 

そのうえで何が足りなかったのか、という話になるわけなのですが、ここからは推測の話にならざるを得ない部分があります。

しかし、その中でも間違いなく足りないと思われるのが、店長の感覚(先日のコラムでいう「クオリア」)です。

 

世の中にレシピというものは数あれど、レシピに従っていれば全国各地で、誰が作っても同じ味になるなどということはありません。

もちろんレシピは大切で、スープカレー店のレシピが数百万円で売買されているという話を聞いたことがあるように、非常に価値の高いものですが、その神髄や根底にある考え方を理解しているかどうかということは大きな問題となります。

理解する前提としては、味を感じる能力がなければなりません。

味を感じる能力を持つためには感覚がなければ始まりません。

 

そのような様々な前提があってこそ味というものは保たれるのではないかと思います。

 

このことは飲食店だけではなく、いかなる業種においても同様です。

一見同じ仕事をしているように見えて、成果が全く違うということはいくらでもあります。

その中で「同じ仕事」であるかどうかを見極める能力がビジネスの成功においては必須なのではないでしょうか。