投稿日:2017年07月07日

【札幌 弁護士コラム】紛争の原因はここにある?物事の切り取り方の違いとは

ダイエットプログラムも終盤に差し掛かりました。

一定の成果を挙げており、開始時点から6.3kg減りましたが、あと1.9kg…。

ここから追い込み開始です。

 

さて、私(荒木)はこれまでも「紛争になるようなことやめておきましょうよー。」「紛争やっても得にならないから予防しましょうよー。」ということを訴えていましたが、紛争が起こる原因として個々人によって物事の切り取り方の違いがあることが挙げられるのではないかと思うようになりました。

そしてこの切り取り方の違いは何も紛争の当事者間のみにおけるものではなく、依頼者と弁護士、弁護士と相手方弁護士、弁護士と裁判官といった関係においても存在します。

 

特に依頼者からの相談を受ける際はこのことが顕著に表れます。

事実関係を聞き取るにあたり、依頼者としては憤懣、怒り、憎悪、不平不満、不条理を訴えるものです。

それに対して、弁護士は法律の要件論、当てはめ、事件解決の期待値などを答えます。

弁護士は大半の事件は最終的には金銭的な解決に至ることを知っていますので、最後はお金の話をすることになります。

つまり、依頼者は事実に対して自らの感情という観点で切り取り、弁護士は事実に対して金銭的な見積もりという観点で切り取っているのです。

こう考えてみると何かやりとりがおかしいことに気付かれるでしょう。

 

そのように相互理解がままならないまま、弁護士が紛争処理にあたることになるため、事が余計に大きくなり、訴訟に至ることが往々にしてあります。

弁護士の多くは「紛争解決」ではなく、「紛争処理」にあたっているのです。

裁判官においては、要件事実論に縛られるためさらにこの傾向は強くなります。

この構造が解消されない限りは本当の紛争解決のための仕組みというものは構築されません。

 

これに対して私の述べる「紛争予防」というものは、将来に起こるべき事実を感情的、金銭的なものを含めた総合的なリスクとしてとらえているわけです。

この考え方からすると、起こるべき事実を回避するために何ができるか、という対策が可能になります。

この前提には「紛争が起こってしまえば、処理ができるとしても、すべてが解決できるわけではない。」という発想があります。

 

「紛争処理」と「紛争解決」、それに先立つ「紛争予防」、これらの違いを考えれば、紛争に対していかに向き合うべきかが見えてくるのではないでしょうか。