先日、とある勉強会で「あなたのメンター像を書きなさい」という課題を与えられました。
「メンター」とは、ギリシャ神話に出てくる優れた指導者である「メントール」から派生した言葉で、「仕事上(または人生)の指導者、助言者の意味。メンター制度とは、企業において、新入社員などの精神的なサポートをするために、専任者をもうける制度のことで、日本におけるOJT制度が元になっている。メンターは、キャリア形成をはじめ生活上のさまざまな悩み相談を受けながら、育成にあたる。」とされています。(コトバンクHP https://kotobank.jp/word/%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC-178863)
そこで私がいろいろと考えた挙句、ポッと思いついたのが「雨ニモ負ケズ」の人でした。
ご案内のとおり「雨ニモ負ケズ」は宮沢賢治が作った詩で、誰しも教科書等で読んだことがあると思います。
なぜポッと思いついたのかはよくわかりませんが、おそらく記憶にはうっすらとその内容が蓄積されており、子供のころから今に至るまで潜在意識の中で徐々に解釈を変え続けており、それがポッと出てきたのでしょう。
記憶というものは不思議なもので、1つのものであってもその後の経験等によって解釈が変わってくるものです。
逆に1つの記憶が未来永劫、解釈も何も全く変化しないというのはありえないことです。
そのような記憶の変化をうまくコントロールすることで将来に役立てることもできます。
この変化のコントロールのために有用な考え方というのが「螺旋的発展」です。
この螺旋的発展というものは、何度かこのブログでも取り上げていますが、ヘーゲルが提唱した「万物は螺旋的に発展する」という考え方に基づくものです。
すなわち、物事が進歩する過程においては、1つのことが隆盛し、一旦は衰退するように見えるものの、復活した際には1段階上のレベルのものになっているという考え方です。
そのような意味で私の中の「雨ニモ負ケズ」も螺旋的発展を遂げていたため、ポッと出てきたとも考えられます。
物事には様々な解釈が存在し、それが時間的な要素により変化し、その変化には螺旋的発展が見受けられることがある、このようなことだけでも知っておくと少しは心の安定に役立つのではないでしょうか。
投稿日:2017年07月05日