今日は朝から家族信託の原稿執筆、現在進行中の家族信託案件の打合せ、夕方には相続関係の研修で夜はジムとなかなかに充実したスケジュールでした。
さて、私は色々な会合に顔を出しているのですが、たまに「今、紛争を抱えていて弁護士に頼んでるんだけど、この事件処理ってどう思う?」といったようなことを訊かれます。
中には「相談料も払わないで…。」と思う弁護士もいるでしょうが、私はわりと率直な意見を言います。
しかし、これまでは「何でそこまで疑問に思っているんだったら直接その弁護士に言わないんだろう?」と疑問に思っていました。
この疑問については完全に解消されたわけではありませんが、一つの仮説が思い浮かびました。
それは「レビュー欲求心理」とでもいうべき、「誰か別の人に見てもらいたい」という心理が働いているのではないかということです。
私は昔いた事務所では、私がドラフトした書面を先輩の弁護士にレビューしてもらっていました(よく叱られていました(笑)。)。
単純に私がミスをしていたということもありますが、2人目の目線だからこそ気付くことも多くあったものと思われます。
たたき台があり、それに対するコメントがあり、いいものができる、というプロセスはまさに弁証法的な過程を経ているといえます。
これが弁護士に依頼しているときに、別の弁護士の意見も訊きたくなるという心理につながっていると思われるのです。
そもそも、紛争処理や訴訟というものは極めて個別性が強く、弁護士の業務としてはアナログな部分が多いことから、「紛争処理の神様」の目線に立って見たとしたら非常に多くのミスがあるものと思われます。
比較していうなれば、私が趣味にしている将棋の場合、たった81マスに40枚の駒があって100手くらいで決着がつくゲームであるにも関わらず、私のようなレベルの棋力であれば指し手はミスだらけであるはずです。
そのように既定されたルールに従ったものであっても人為的なミスは頻発するのですから、いわんや生の事実の世界で、見解が対立しているような場面で、書面作成の内容まで含めて最善の処置をし続けるということはまず不可能なことです。
そうであるとすれば多くの弁護士の意見を結集し、事件処理を可能な限り正確なものとする必要性も肯定されるべきです。
私は、守秘義務の問題や弁護士間の利益の融通の禁止の問題もあるとは思いますが、弁護団事件のようなものでなくとも弁護士がアライアンスを組んで事件処理に当たれるような体制をとっても良いと思っています。
少なくとも、弁護士に依頼して現在進行中の案件でも気軽に他の弁護士に相談してみることができるような仕組みがあってもいいのだと思います。
ちなみに当事務所はそのようなセカンドオピニオンの案件でも全く構いませんので、お気軽にご相談下さい(笑)。
投稿日:2017年06月30日