今日は東京のもといた事務所の先輩の弁護士と同期の弁護士が仕事で札幌にいらっしゃいました。
期日が終わった(=仕事が終わった)後ということで、昼からお寿司をごちそうになってしまいました(T先生、ご馳走様でした!)。
さて、今日来られたお二人が労働法の専門家だということで、珍しく労働事件の話でも。
労働事件とは、弁護士が取り扱う紛争の類型の中で雇い主と勤め人との間で起こるもめ事のことです。
主要なものとしては、①地位確認、②未払賃金請求、③労働災害、というところでしょうか。
①の地位確認という言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、これは「労働者である地位の確認を求める」という意味であり、よくあるのは解雇されたという人が解雇は無効だ、という主張をするパターンです。
民法の原則の上では、30日前までに解雇する旨を通知すれば解雇できることにはなっているのですが、労働契約法による修正で、解雇するのに正当な理由がなければ解雇が有効とはならないものとされています。
このため、会社は従業員を簡単に辞めさせることができず、逆に従業員が解雇だといわれても「まだ従業員である」ということを主張できる場合もあるということです。
②の未払賃金請求というのは、簡単にいうと「まだ払ってもらってない賃金があるため、支払いを請求する」というものです。
よくいわれる「残業代請求」もこの類型に含まれます。
やはり最近は盛んに広告されているためか、案件としても増えているものと思われます。
この事件は、いわゆる「ブラック企業」として長時間労働を行っている会社においてよく発生するのですが、中小企業であまり労務管理がきちんとなされていないような会社では、就業規則等の不備のため、会社が残業代が発生しないものと誤解していた場合でおこるこtもあります。
中小企業の経営者の方には是非気を付けて頂きたいお話です。
③の労働災害というのは、勤務中の事故により心身の機能を害してしまった場合にその責任を会社に対して追求するというもので、結果的には金銭的解決となるものです。
労災保険によって、一部の損害については補てんされますが、全てが補償されるわけではないので、損害の残額の補償を求めるために会社に対して請求を行うものです。
この労働災害というものについては、会社が従業員に対して安全に働ける環境を提供する義務を怠ったということが認定される必要があるため、この部分で争いになることが多くあります。
一般的な傾向としては、炭鉱労働者等の呼吸器系の障害等が目立っていましたが、最近ではうつになったことを労働災害だとして請求が行われることが多くなっているのではないでしょうか。
このような労働問題は誰にでも起こりうることですので、基礎的な知識を持っておいてもよいのではないでしょうか。
投稿日:2017年06月28日