最近、いわゆる成功者の自伝を読んだり、話に聞いたりすることが多いのですが、共通項としてやはり感じるのは「手数の多さ」です。
これは各人が目指している目標とリンクする話ですが、立てた目標を達成するためには多くの場合で手数が必要になるという背景があります。
いわゆる成功者といわれる人は、大抵、常人が考え付かないような大胆で壮大な目標を立てています。
例えば中国の始皇帝であれば中華統一だったり、ライト兄弟であれば空を飛ぶということであったり、スティーブ・ジョブズだったらウェアラブルデバイスを普及させることであったりするわけです。
そのような大胆で壮大な目標というのは当然、簡単には達成できません。
それというのも達成に向かう道筋を誰も知らないため、いばらの道をかき分けて蛇行しながら進んでいくしかないためです。
これらの成功者が成功を成し遂げたのは、常人であれば入っていくこともためらうような道に入り、常人であれば超えることを諦める壁をいくつもいくつも突破できたからです。
そして壁を超えるための手段を得るには試行錯誤を繰り返すよりありません。
成功者といわれる人はこの試行錯誤を無数に繰り返すべく、手数を打ち続けた人に他ならないのです。
ではどの程度の手数を打てば成功に至るか、という話ですが、これは事前にわかるような話ではありません。
ただ一つの傾向としていえるとすれば、成功して得られるものの大きさとそれに必要な手数の多さは比例するということです。
簡単な例えでいえば、年収を500万円にすることと年収を1億円にするということを比べたらどうか、という話です。
年収を500万円にするだけであれば、上場企業の正社員になり、しばらく勤めていればかなりの確率で達成できるでしょうし、そうでなくともそれなりの給料の会社に勤めつつ、土日に副業をやっていれば達成できるかもしれません。
公務員になったとしても十分に達成できる数字でしょう。
また、上場企業といっても何千社も存在しますし、副業といっても無数に存在するはずです。要は様々な方法で年収500万円という目標は達成できるのである程度の手数を打てば、目標達成できてしまうわけです(もちろん達成できない場合はありますが。)。
一方で年収を1億円にするということはそう簡単ではありません。
上場企業に入って出世して社長になったとしても1億円の役員報酬を得るというのは並み大抵のことではありません。
公務員だとほぼ不可能な数字ですし、独立起業するといっても1億円の報酬が得られるようにするためには相当な積み上げが必要でしょう。
このように目標を高くすると、その目標達成が可能になる方法が絞られてきます。
そうすると、ごく限られた達成方法を見つけるために様々なことを試し、実行し、反省し、考えることを何度も繰り返すことが必要とされます。
そしてこの繰り返しを行うということも簡単なことではありません。
成功できるのかどうかも分からず試行錯誤を行い続けるということはまさに暗中模索の作業です。
この作業に耐えられる力こそが成功者が共通して持っているものといえます。
成功を志すのであればこのような構造を知っておく必要があるはずなのですが、必ずしもあまねく浸透しているというものではありません。
何かに挑戦してうまくいかなかったとしても「ああ、こんなもんだ。」と思えるようになれば、次の手数を打つ際に躊躇がなくなります。
このような状態を作れることが成功への第一歩なのではないでしょうか。