投稿日:2017年04月22日

【札幌 弁護士コラム】プロフェッショナルの流儀:いくら調子が悪くてもセーフティラインを割らないこと

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私(荒木)のように弁護士業をやっていると、案件関係者でいろいろな方とお会いするわけで、中には話がかみ合わない(というか理解できない)方もいらっしゃるわけです。

そんなときに自分の常識と異なるからといって感情的になり、切り捨ててしまうというのは、プロフェッショナルとしては誤った行動であると思います。

 

まず1つは、解決につながらないということです。

感情的にその後の行く先を決めるということは、それまでに理知的に予定していたルートを変更するということになります。

そうだとすると、プロフェッショナルとして計画してきた道を、感情という素人的なもので塗り替えることになり、プロフェッショナルとしての判断に基づかない行動になってしまいます。

そうするとプロフェッショナルとして解決できることもできなくなってしまいます。

 

もう1つは、感情が揺れ動くと脳の領域を支配され、働きが鈍くなるということです。

人は心配事や悩み事があるとそれに脳のキャパシティを取られてしまうことが往々にしてあります。

この状態ではてきぱきと行動を進めることができず、どうしても動きが鈍重になってしまいがちです。

これは、心配事や悩み事といった心の揺れを抑止できず、却って増幅させてしまった結果がもたらすものです。

 

このようにプロフェッショナルが感情的になることはプラスに作用しない要素を多く含んでいます。

しかし、プロフェッショナルとはいえ、人は人です。

調子よくやっているときもあれば、仕事上又はプライベートで嫌なことがあれば感情的に揺れてしまうことも事実です。

 

そこでその感情の揺れをどうとらえるべきか、ということになりますが、1つの考え方として「セーフティラインを守る」という考え方を持つことが有効であると思われます。

ここでいう「セーフティライン」とは、顧客や取引先から100%肯定的な評価はもらえないとしても、その相手との約束を破ったり、ネガティブな印象を植え付けてしまう行動をとったりしない最終防衛線とでもいうべき段階です。

ここを守っていれば、顧客や取引先が消えてしまうことはなく維持でき、調子のいい時にプラスの評価を与える仕事ができます。

 

このようにプロフェッショナルが守るべき段階を抑えていれば、打撃を受けたからといって「全軍総崩れ」になることはなく、いずれ「反攻体制」を築くことができるようになります。