投稿日:2017年04月04日

【札幌 弁護士コラム】「反復練習」の本当の意味とは

スポーツの世界でも、学びの世界でも、反復練習(学習)というものが大切だということは常識として知られています。

しかし、実は「反復」といいつつも、全く同じ練習や学習を行っているものではなく、少しずつ違う動きや学習を行っていると考えられます。

例えば、野球選手が素振りをするにつけても、1つ1つのスイングはテイクバックのタイミング、ヘッドスピード、軌道、ヘッドの返るタイミングなど、厳密にいうと全く同じスイングは存在しないはずです。

一方、反復学習というと、同じ本を読んだり、同じドリルの問題を解いたりすることをいいますが、同じことをやっているようでも前回とは違う知識レベルで臨んでいるのであり、体調、環境、集中度なども厳密なレベルでは異なっているはずです。

このように反復練習(学習)といっても全く同じことを行っているのではなく、少しずつ異なる類似の行動を繰り返しているものといえます。

 

このことがある1つ目標に向かって行われているとするのであれば、練習を始めたときから目標に至るまでの道を1本ずつ増やしていくようなことを意味します。

道が1本増えるごとに、内部的なブレに対応できるようになり、かつ外部の変化に対応できる可能性が高くなってくるものであると考えられます。

 

例えば、野球で3割打ちたいといった場合、最初はどんな球も打てないものの、少し練習すれば遅いストレートを打てるようになり、もう少し練習すればカーブを打てるようになり、さらに練習すれば速いストレートも打てるようになるといったものです。

また、内部的な問題としては、絶好調の時でなければ打てなかったものが、多少調子が悪いときでもそれなりの調子であっても少しずつ打てるようになってくるわけです。

 

このように反復練習(学習)を行うことによって、単なる技術や知識を超えて、目標を達成するために必要なコツや知恵を身に付けることができてきます。

「天才」と呼ばれる人はすべからくこのような反復練習(学習)を継続する力が卓越しているといわれます。

そのように考えてみると、単調と思っていた練習や学習も色づいて見えてくるのではないでしょうか。