(本記事は平成29年2月25日分の未投稿記事です。)
ヨーロッパでの話を続けます。
イギリスでは大英博物館に行ったのですが、まぁ館内の広いこと広いこと。
真面目に全部を見て回るとすれば優に1週間はかかってしまうことでしょう。
ピンポイントでいくつかを見て回ったのですが、古代のメソポタミア文明、エジプト文明の時代の頃から近現代に至るまでの歴史を感じ取ることができました。
そのような各時代で共通していることは、各時代において宗教的価値観が一貫していることです。
たとえば古代エジプト文明においてはアミニズム的思想があり、ローマ帝国以降のヨーロッパにおいてはキリスト教的思想が根本にあるということです。
日本の展示もありましたが、やはり仏教伝来以降については仏教的思想が前提となっている展示が多く見受けられました。
これにはいくつか理由があるように思われます。
一つには、為政者が宗教を利用した、又は為政者自体が宗教の主宰者であったということが挙げられます。
また、一方で民衆が持っていた価値観というものが為政者のものと異なっていた可能性があるものの(日本では隠れキリシタンの踏み絵などが有名ですが)、後世に文書なり造形物なりで残すことができなかったという理由もあるように思われます。
すなわち、日本の江戸時代の識字率は世界的に群を抜いて高かったといわれますが、裏を返すと他の国では字が書けない人のほうが圧倒的に多かったという状況があったということ、また為政者の意に反するものは弾圧を受け、後世に残すことができなかったという状況があったと思われます。
このように価値観の統一ということは非常に強い力を持つものと考えられます。
現代においてはSNSの普及等もあり、価値観が極めて多様化していることが指摘できます。
(当否はともかくとして)「保育園落ちた、日本死ね。」というようなSNSを通じたものが流行語大賞を取るようなことはこの最たる例でしょう。
そのような中で、マーケティングにおいては一定の価値観を流布させるということが大きな成果を挙げることがあります。
例えば、バレンタインデーのチョコレートや節分の日の恵方巻などが挙げられます。
これらの始まりはある意味でマーケティングのためのこじつけともいえるものですが、現実的には日本全国において定着を見せています。
価値観が多様化している現代だからこそ、企業は独自の価値観を打ち立て、共感を集めることが必要とされているのではないでしょうか。