投稿日:2017年02月12日

【札幌 弁護士コラム】家族信託に関する1問1答④

今日も家族信託に関する一問一答を続けます。

 

  • 家族信託って昔から使われていたの?

家族信託は平成19年に信託法という法律が改正されてから使えるようになりました。

しかし、信託法の改正自体が家族信託を進める目的でなされたものではなかったことから、法律改正後すぐに広まったわけではありません。

主に司法書士業界が家族信託の普及を進めてきましたが、一般の方にまで認知されるようになったのはここ2、3年の話です。

また、弁護士、司法書士、税理士、行政書士といった専門家でも家族信託に(本当の意味で)対応できるのはごく一部であるといわれています。

 

  • 家族信託って信託銀行などを使わなくていいの?

家族信託は家族だけを当事者として行えるものですので、信託銀行等の外部の機関を利用する必要はありません。

但し、受託者が金銭を預かるために信託口座という特殊な口座を銀行で開設する必要があるため、その部分では外部機関である銀行を利用する必要があります。

 

  • 「遺言信託」という言葉を聞いたのだけど、それは家族信託と違うの?

遺言信託という商品は、銀行又は信託銀行が発売している商品で、遺言の作成サポートと遺言の保管と亡くなった後の遺言の執行(実行)を行うというものです。

これらは以前から弁護士等の士業が行ってきた業務であり、その業務を銀行の窓口で販売するようになったということに過ぎません。

一方で家族信託では、遺言と同様の機能を果たせることはもちろん、認知症対策として認知症になった場合でも不動産を売却することができるようにしておく仕組みや、共有持分が分散してしまった不動産を売りやすくするための対策等も行うことができますので、中身としては全く違うものといえます。

 

  • 家族信託をやりたい場合には誰に相談すればいいの?

家族信託について経験と実績がある専門家(弁護士、司法書士、税理士、行政書士)に相談しましょう。

これらの専門家をご存じでなければ、不動産、保険、ファイナンシャルプランナー等を扱っておられる方に専門家を紹介してもらうのも方法です。

もしそういったツテもないようであれば、一般社団法人家族信託普及協会(http://kazokushintaku.org/)を通じて専門家を紹介してもらうことも一考です。

一方で、弁護士会等の法律相談、市役所等のよろず相談、一般的な相続セミナー等では必ずしも家族信託に対応できる専門家につながることができるわけではないので留意が必要です。

(了)