投稿日:2017年01月28日

【札幌 弁護士コラム】弁護士がかける工数について考えたこと

今日は朝から東京に来ています。

午後から船井総研さんのセミナーに出て、夜は最高裁の書記官も務められた方との約5年ぶりの再会、口うるさい(笑)ロースクールの友人との面会とたゆまない1日を過ごしました。

明日も朝から盛りだくさんの予定です。

 

さて、今日、同級生と議論していたのは弁護士がかける工数と報酬との関連性についてです。

ひと昔前には大手法律事務所に依頼すると特に発言もしないアソシエイトが無駄にタイムチャージをかけて、それを請求されるという問題があったやに聞いていますが、それと近い話かもしれません。

 

簡単に言ってみれば、弁護士の報酬の基準を手間で考えるか結果で考えるかという議論が根底にあるのですが、工数で考えた場合に、できる弁護士ほど報酬が少なくなるのではないかという問題があります。

例えば事案を見た瞬間に「ああ、これは100万円くらいを払って和解すべき事案ですね。」と言われるか、「ああ、これは徹底的に争うべき事案ですね。」と言われた挙句、証人尋問まで至って「勝てるか微妙な情勢ですので100万円くらいを払って和解してはどうでしょうか。」と言われるので、どちらがいいかという話です。

 

(業界的に見た場合に)能力が評価されるのは前者の弁護士ですが、報酬の総額が大きくなるのは後者の弁護士になると考えられます。

これは弁護士サイドとして見た場合と依頼者側から見た場合とでどちらを基準として見積もるかという問題が生じます。

 

一般企業においても同様の問題は存在し、要領のいい人は早く仕事が終わるために残業代が付かず、要領の悪い人にだけ残業代が付くという不公平な結果を招く場合もあります。

弁護士の場合には相談を聞いただけで結論がうっすらと(というかかなりの確度で)見えてしまう場合もあり、そこで結論を出してしまうと報酬は極めて少なくなってしまいます。

本当は依頼者の方にとっても早く結論を出してくれるのが望ましいことはいうまでもありませんので、これで報酬を頂けないというのであれば、何か不可思議な結論になってしまいます。

 

そんなわけで、争いの激化を未然に防いだ場合にも弁護士に報酬を払ってやってほしいと願う今日この頃です。