投稿日:2016年12月25日

【札幌 弁護士コラム】分野を広げることと集約すること

今日はクリスマスでのんびりできたので、日ごろのタスクを離れて読書と来年の計画をしていました。

 

私(荒木)など弁護士など専門家が専門領域を決めるというのは意外と容易なことではありません。

ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、例えば医師の世界でも医師免許さえ持っていれば「○○科」と名乗るのは何でも自由とされています。

すなわち、一度も手術をしたことがなくても脳神経外科を名乗ってもいいし、薬の知識が全くなくても内科を名乗ってもいいということになっている(そうです)。

 

弁護士が専門領域を決めるときも、司法試験を通って司法修習を修了していれば特に制限なく専門領域を決めることができます(但し、「○○が専門」と広告することは弁護士会での広告に関する規制で制限されています。)。

そこでどこを専門領域とするかは極めて幅の広い問題であるといえます。

さらに時間的な幅を見るとすれば、現在の専門領域と10年後の専門領域が異なっていることも十分にありえます。

そのような幅の広い中からどうやって専門領域を決めていくかはかなり重要な問題となります。

 

まず、専門領域をとにかく決め打ちで決めてしまうような方法があります。

この方法で自分の理想像と専門領域がマッチすればよいですが、マッチしない場合には事業の立ち上げに失敗するのと同じで、出遅れを取り、場合によってはキャリアの足かせになってしまうこともありえます。

 

一方で極力モラトリアム期間を持ち、なるべく専門領域を決めないというスタンスもあります。

しかし、この方法ではある専門領域がブームのような状態になったときに十分な対応ができず、いかなる領域においてもパイオニアの後塵を拝することになり、ビジネス上のニーズをいち早くキャッチできないという問題があります。

 

いずれにしてもどちらかに寄りすぎるのは問題であるということです。

私が持っている専門領域のイメージでは「狭すぎず広すぎず、レイヤーを意識した成長を続けるもの」というのが理想です。

何だかよくわからない表現で恐縮ですが、これは、外部環境の変化がある以上、専門領域は常に変化を続けるものだということを前提にした考え方です。

すなわち、数多くある領域についてある程度ジェネラルな知識と経験を持ったうえで、意識的に一部の領域に絞って経験を伸ばし、他の競合がついて来られないレベルまで高めることが第一段階と考えられます。

そしてその上がったレベルにおいて領域を広げることで、高いレベルでのジェネラルな知識と経験を持つことが第二段階であるといえます。

さらにその第二段階で広がったものの中から再度専門領域を絞り、より高いレベルの専門を持つことが第三段階になります。

この第三段階は構造的には第一段階に戻っていますが、一段階レイヤーが上がっていることになります。

これらのことを繰り返すことで、際限なく専門としてのレベルを上げていくことが可能になるのではないかと考えています。

 

かなり抽象的になってしまいましたが、要は私が滝に入ったり、人の仕事を観察しに行ったり、東京の様子を見に行ったり、全く仕事のつながりがなさそうな人に会ったりしているのも実は領域の拡大を目指しているというフェーズであるととらえています。

そのようなことの中から例えば家族信託だったり、契約書だったり、顧問業務だったり、専門性が出てくる分野が開拓できるのではないかと考えています。

来年はこの行動を体系化して、より高速で回せるように努めていきたいと思います。

 

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