今日は朝から顧問先の社長さんとの打合せ、午後からは訴訟案件の依頼者の方との打合せ、夜はロータリークラブのきりたんぽを食べるイベントへの出席と、今日も充実した1日を過ごしております。
さて、弁護士という仕事をしていると経営者の方の考え方に横串を刺して見ることができるため、いろいろなことに気づかされます。
その中でもどのようにして会社が目指す方向を実現するか、という点についてはかなりの違いを感じることがあります。
よくわかるのが腹の立つ(元)従業員に対してどのようにアクションを起こすか、という点です。
まず前提としては、従業員は労働法上の保護を受けているため、簡単に解雇できない反面、従業員が辞めたいといったときにはすぐに(2週間で)辞めることができ、単なる成績不良だけでは容易に懲戒することができず、会社に損害を与える行動を取った場合であっても損害賠償請求が制限されることがあり、損害賠償請求したとしても給与との相殺が禁止されているといったように、会社側の制約が極めて大きいとされています。
また、基本的に会社に比べると従業員はあまり多くの金銭を持っていないことが通常であり、仮に損害賠償請求をしたとしても回収まで至る可能性はあまり高くありません。
このような前提があるので、会社としてのスタンスはいくつかに分かれます。
- 従業員が会社に与えた損害をうまく取り戻し、どうしても黒字にしたいという対応
- 裁判費用等で赤字になっても構わないから何とか従業員に制裁を与えたいという対応
- 黒字にならないのであれば特に何もしないという対応
- 従業員に対して損害賠償請求を行うことは現実的ではないので、そもそもそんなことにならないように採用段階から見直そうという対応
このようなそれぞれの希望を聞いた場合、弁護士によっても反応が違うでしょうが、私(荒木)の場合は極力、経営者の方のご希望を受け入れるようにしています。
しかし、本当に今後、会社を良くしていこうと考えられるのであれば、訴訟をやれば解決するという訴訟信奉のような考え方は危険です。
やはり法的対応の前に従業員の人心を掴み、ミッションを与えるような経営がどこかで求められるといえるでしょう。
このような話は労働問題だけではなく、取引先や金融機関との関係構築においても同様でしょう。
法的対応と法的対応以外の対応とのバランスが優れている経営者の方を見ると、見事な経営をされているのだと感じることがあります。
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