投稿日:2016年11月08日

【札幌 弁護士コラム】小学生に学ぶ、徒然草「二本の矢」

(本記事は平成28年11月7日分の未投稿記事です。)

 

先日、ロータリークラブのイベントで親子暗唱大会というものが開催されました。

この大会は小学生以下のお子さんが詩や小説の一節を暗記して、それをステージ上で暗唱し、その正確さや伝わり方を審査するという大会です。

その中で徒然草の一節を暗唱していたお子さんがいました。

 

その一節というのが以下の部分です。

 

或人、弓射る事を習ふに、もろ矢をたばさみて的に向ふ。師の言はく、「初心の人、二つの矢を持つ事なかれ。後の矢を頼みて、はじめの矢に等閑(なおざり)の心あり。毎度ただ得失なく、この一矢(ひとや)に定むべしと思へ」と言ふ。わづかに二つの矢、師の前にてひとつをおろかにせんと思はんや。懈怠(けだい)の心、みづから知らずといへども、師これを知る。この戒め、万事にわたるべし。

 

道を学する人、夕(ゆうべ)には朝(あした)あらん事を思ひ、朝には夕あらんことを思ひて、かさねてねんごろに修(しゅ)せんことを期(ご)す。況(いわん)や一刹那のうちにおいて、懈怠(けだい)の心ある事を知らんや。なんぞ、ただ今の一念において、直(ただ)ちにする事の甚だ難き。

 

細かい現代語訳はネットなどで調べて頂ければと思いますが(適当ですみません。)、要するに弓道の初心者が2本も矢を持っていると最初の矢(弓道用語で甲矢(はや)といいますが。地味に元弓道部アピール(笑)。)を引くときに後の矢(同じく乙矢(おとや)といいます。)をあてにして十分に集中しないから駄目だというわけです。

同じように勉強する場合にも夕方になってくると「また明日の朝やろう。」と思い、朝になると「夕方になってからやろう。」と思って結局全然やらないものだ、だから思ったときに行動するというのはなかなか難しいことだ、ということを言っています。

 

この一節は昔勉強した記憶がありますが、改めて聞くと「万年先送り病」患者の私にもグサッと刺さりました。

鎌倉時代から言われていたことを現代においても満足にできていないとは…。

また小学生から改めて言われるということにも多少なりともショックな部分がありました。

 

この暗唱をしてくれた小学生がここで言っている内容に気づき、「万年先送り病」患者にならないことを願うばかりです。

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