投稿日:2016年10月26日

【札幌 弁護士コラム】アドバイザリーとしての弁護士の立ち位置

(本記事は平成28年10月25日分の未投稿記事です。)

今日は未知の会の例会でした。

自己紹介を25分ばかりやるという恥部を晒すようなお題を頂きましたが、(1日パワポ作りに充てた甲斐があって)何とかご好評を頂けました。

 

その懇親会で出た話なのですが、「いいコンサルタントとは何か。」という議論がありました。

これは割と根深い問題だと思うのですが、意見を大きく分けると「トップの意見を肯定する派(肯定派)」と「トップの意見を否定する派(否定派)」に分かれます。

 

肯定派は、わかりやすくいうと裸の王様の側近のようなもので、トップの見解が客観的に間違っていようと自分の意見と違っていようと、トップの言うことを肯定し続けるタイプです。

このタイプは何の役にも立たないように思われますが、トップにとっては精神的に後押ししてくれる存在になります。

また、コーチングのコーチがこれに近いように思いますが、トップが自問自答をする機会を与える立場というものにもなり得ます。

一方で、肯定派コンサルタントのメリットとしては、何と言ってもトップの好意を買うことができ、可愛がられるため報酬をもらいやすいということです。

 

逆に否定派は、トップの意見に迎合せずに、自らの見解や客観的に正しい見解を述べるタイプです。

「良薬は口に苦し。」というように、本当に改善に役立つものは感情的に受け入れがたい部分があることが多いですが、実践できれば大きな効果を発揮する可能性があります。

しかし、難点はトップがそのように意見されることを望まなければ、報酬を払ってまで意見を求めることをしないということです。

 

私が思ういいコンサルタントとは、やはりトップと同じ意見をなぞるだけではなく、トップが見えない部分に気づき、トップが考え付かなかったアイデアを提案するものだと思います。

このようにいうと否定派っぽく見えるかもしれませんが、あくまで提示するのは反定立(アンチテーゼ)ではなく止揚(アウフヘーベン)であるべきだと考えています。

そうすると部分的にはトップの意見を否定していることにはなりますが、必ずしもトップが感情的に受け入れがたい提案にはなりません。

 

また、(特に弁護士によくあることですが)コンサルタントは「結論は○○になるから、対策は××しかない。」というような言い方をしないことが重要だと思います。

世の中数多くの問題があれど「これしかない!」というような事案は実はそう多くはないように思います。

しかし、コンサルタントが自らの専門領域の範囲内だけで断定するようなことがあればこのようなアドバイスになってしまうことがあります。

コンサルタントが自分の分を弁えて、他の領域での解決の可能性に思いを致すことができればそんなアドバイスになることは多くないと想定されます。

 

そんなわけで私は法律を軸としながらも、それにかぎらず企業のお役に立てるコンサルタントを目指しているわけです。

***************************************************************************************************
本サイトでは365日、弁護士によるコラムを公開しています。
新着情報をお知りになりたい方は右側のFacebookページのリンクに「いいね!」してください(投稿の度にタイムラインに表示することが可能になります。)。

【メルマガ登録募集中!】
アンサーズ法律事務所では月1回メールマガジンを発行しています。
メルマガならではの有益情報をご提供しておりますので是非ご登録下さい。
本サイトのトップページ右のサイトバーに(スマホ用サイトでは下側に)、メールアドレス、お名前、会社名・所属先をご記入頂くことで登録できます。