投稿日:2016年05月28日

【札幌 弁護士コラム】短期的利益ばかりを追及することの愚

まれに経営者の方で「自社ですぐに使え、利益が上がるノウハウを知りたい。」と仰る方がいらっしゃいます。

しかし、このような話にはつい違和感を持ってしまいます。

 

1つ目は、大半の(すべての?)企業には競合他社がいるということです。

競合他社も当然ノウハウの収集を行っているわけで、他人から聞いてすぐに競合他社に対して有利になるようなノウハウがあるとは思えません。

良くても競合他社に追いつく程度の効果しかないでしょう。

 

2つ目は、すぐに使えるものはすぐに使えなくなる、要するに陳腐化するのが早いということです。

仮にすぐに利益に結び付くノウハウがあったとしても、利益が発生するのは短期的なものであり、企業の長期的視点からみると波及効果は低いものです。

確かに起業当初など、短期的に成果を挙げなければならない場面もありますが、常にすぐに使えるノウハウばかりを追い求めるのは経営方針として誤っているように思います。

少なくともそのような短期的な考え方は経営者が行うべきものではなく、もっと下のレベル(部長、課長クラス)でやるべきことです。

 

3つ目は、そもそもノウハウは知るものではなく、作り出すものであるということです。

他人から聞いたことをそのまま受け売りで実行することは、「生兵法は大怪我の元」というように危険が伴います。

あくまでも他から仕入れた知識をもとに、自社の経営に落とし込むように加工するというプロセスが必要です。

このプロセスを経なければ全く誤った場面で他から仕入れたノウハウを使用してしまうことになり、利益を出すどころか損失につながりかねません。

 

4つ目は、思考体系が短期的利益に対することに凝り固まってしまうことです。

2つ目の指摘とつながるところですが、短期的利益ばかり考えるようになると、長期的利益を考えたり、社会的貢献について考えたりする思考が徐々に排除されていくことになります。

そのようにして企業の永続的発展につながる考え方を排除してしまうと、どこかでジリ貧の場面を迎えることとなってしまいます。

 

今日は柄にもなく偉そうなことを申し上げてしまいました(汗)。

 

これから家族信託のセミナーでお話をして参ります。

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