投稿日:2016年05月18日

【札幌 弁護士コラム】契約書はなぜ必要?

契約書について触れて回っているせいか、最近、契約書の作成や契約書のチェック(レビュー)についてのご依頼を頂くことが多くなってまいりました。

そんな中で時折あるお話が、「新しい取引をするんだけど、契約書って作っておいたほうがいいんだよね。」というものです。

 

契約書を作ったほうがいい、という感覚は極めて大切です。

しかし、この感覚がなぜ大切かというと、法律的な感覚(コンプライアンス意識)だけではなく、ビジネス感覚として重要だからです。

この点はよく誤解を受けるのですが、「契約書を作ったら取引が有利になる」とか「弁護士が作った契約書だから効力が強い」とか、契約書はそのようなものではありません。

あくまでも契約書は事実(=当事者間でどのような合意が行われたか)を記録したものであり、それ以前のビジネスマター(=契約金額、支払時期、引渡時期、リスク負担、解除事由等)については当事者の間でまとまっているべきものです。

ですので文言に落とし込むのはともかく、ビジネスマターについては本来的にはご相談を頂く前にまとまっているべきものであるはずです。

 

では弁護士を含む契約書を作る専門家は何をやっているのかというと、基本的にはビジネスマターとして合意された内容を正確に契約書に落とし込むという作業です。

しかしながら、契約のリスクとしてビジネスマターの話合いにおいて抜け漏れがある場合には、そのリスクを指摘してどのように落とし込むべきかをアドバイスします。

この点、各ビジネスについて理解していない専門家はリスクがどこにあるのか気付くことができず、契約書作成時に指摘できないため、専門家は各ビジネスに精通している必要があるのです。

 

また、専門家の能力の指標としてどこまで正確に合意内容を契約書に反映できるかという点もあります。

てにをはの使い方を含め、契約書においては二義を許すような表現は避けなければなりません。

しかし未熟な専門家の中には、平気で主語がない条項を入れたり、定義語が混ざって使われていたりする場合があります。

このような文章を使う専門家はどこかしら欠落している可能性がありますので、注意が必要です。

 

このようなことからいい専門家を選ぶためには、依頼者の方にも一定の契約書リテラシーとでもいう知識が必要な部分もあると思います。

———————————————————————————————————-
アンサーズ法律事務所へのお問い合わせは以下の方法でお受けしております。
法律相談、契約書の作成・チェックのご依頼、顧問契約のご依頼、案件処理のご依頼、その他お気軽にお問い合わせください。

・お電話でのお問い合わせ(平日9:00-18:00) 011-596-9413
(時間外自動受付 050-5891-3596(留守番電話対応))

・メールフォームからのお問い合わせ コチラをクリック

・オンラインでの法律相談予約 コチラをクリック

***************************************************************************************************
本サイトでは365日、弁護士によるコラムを公開しています。
新着情報をお知りになりたい方は右側のFacebookページのリンクに「いいね!」してください(投稿の度にタイムラインに表示することが可能になります。)。