「弁護士ってどうやって仕事を取ってくるの?」と訊かれることがたまにあります。
正直なところ私(荒木)もよくわかっていないのですが、以下のように分類されると思います。
①法律相談センター・法テラス・裁判所等の公共機関系経由型
弁護士の多くは各弁護士会で設置している法律相談センターに登録されており、年に何度か法律相談担当として相談を受けています。
相談を受けて弁護士が関与すべきとされ、相談者から依頼があった場合には各弁護士の仕事になります。
同様に法テラスでも弁護士を紹介する制度があり、法テラスに相談に来られた相談者からの案件が各弁護士に配点されます。
さらに破産管財人業務、特別代理人業務及び成年後見業務等は裁判所から(事実上、弁護士会を通じて)各弁護士に配点がなされます。
このように公共機関(及びこれに準ずる機関)からの配点を受けることが1つの柱になっています。
この類型のメリットとしては、(一応は)安定的に案件が供給されることが挙げられます。
一方でデメリットとしては、受任までの手続が煩雑になること、上納金(負担金)が発生すること(法律相談センターの場合)、案件単価が低いこと(法テラスの場合)、事実上配点を受ける弁護士が偏ること(裁判所案件の場合)が挙げられます。
②ボス弁・兄(姉)弁引き継ぎ型
現在は弁護士数が多くなりすぎた関係でモデルが崩壊しつつありますが、法律事務所での伝統的な仕事の循環の仕方は、ボス弁(経営者弁護士)がイソ弁(勤務弁護士)に仕事を引き継ぐことや兄(姉)弁(先輩弁護士)が弟(妹)弁(後輩弁護士)に案件の協力を求めるような形でした。
信頼をおかれたイソ弁であれば顧問先を引き継がれるということもありました。
現在ではボス弁自体、仕事に窮しているというパターンも見受けられるようになり、このように上から下へ仕事が流れていくということも少なくなっているものと思われます。
③インターネット・広告募集型
以前、弁護士会は弁護士による広告を禁止していましたが、十数年前から広告が解禁されたため、インターネット等の広告を利用する弁護士が増えてきました。
まさしくこのブログもそれに当たるわけですが。笑
インターネットだけでなく、テレビ・ラジオ、折込チラシ、フリーペーパー、電車内の吊り広告、果ては映画の上映前広告にまで、普通の商品と同じように広告宣伝がなされるに至っています。
④人脈型
セールスの基本ではありますが、人脈を生かして仕事を取ってくることももちろんあります。
以前は弁護士がセールスをするようなことは考えられなかったようですが、最近では当たり前のように異業種交流会に弁護士が顔を出しています。
私の入っている某異業種交流会では弁護士の割合が1割を超える勢いだとか。
セールスの基本である割には、きちんとした所作ができる弁護士というのはあまり多くないように思います(特に遅刻とかドタキャンとか。自戒を込めてですが。笑)。
「弁護士の常識は世間の非常識」というようなことを平然という弁護士もいますが、やっぱり常識人だと思ってもらえなければなかなか依頼しようとは思わないだろうなぁと思います。
いずれの方法についても長短があるので、まずは自分の型がどれかということを見極める必要があるんでしょうね。