昨日は、「紛争解決はつまるところゼロサムゲームである」というところまでお話しました。
ゼロサムゲームとは、「経済学におけるゲーム理論における用語で、 参加者の得点と失点の総和(サム)が0(ゼロ)になるゲームのこと」と定義されます。
訴訟に置き換えていうと、訴訟物(請求する金銭や物に対する権利)は(少なくとも理論的には)一定数しか存在しないものであり、それを双方当事者で引っ張り合う(互いに自分のものだと主張し合う)ような構造をいいます。
つまり訴訟をすると何らかの判決が出るわけですが、片方の当事者にとって有利な判決はもう片方の当事者にとっては不利なものとなるわけで、訴訟を行うことで金銭や物の総和が増加することはありません。
このような観点から、私は訴訟を含む紛争解決は社会経済的に見てあまり有益ではないものだと見ています。
一方で、紛争が発生するのは交通事故など一部の例を除けば、取引のある会社同士、会社と従業員の間、会社と消費者の間、夫婦の間、親子の間等、一定の関係性を持った当事者間で起こります。
これらの関係性が当初は良好であったものの、何かのきっかけで悪化していくことにより(又は突発的に悪化したことにより)紛争に発展するものです。
このため関係性が良好である間に、両者の関係性を定める契約書等を作成するによって、一定のルールを設け、紛争を防ぐことは十分に可能といえます。
紛争を予防することにより、企業であれば紛争解決のために余計なコストがかからなくなることから、本業にまい進することが可能となり、業績の向上が見込めるようになります。
例えば、1000万円の金銭をめぐる訴訟であれば大体、着手金として60万円程度、裁判所に納める印紙代として5万円がかかりますが、このような訴訟がなければ従業員1人の給料2か月分程度が払えることになります。
仮に月々32,400円で顧問弁護士を支払っていて、契約書の不備を修正したことにより訴訟が回避できたとすれば、2年分近くの顧問料を浮かすことができたことになるのです。
逆に考えると、1度このように訴訟を回避し出費を節約できたとすると、残りの約23か月分の顧問料はタダと考えることができます。
また、契約書や社内文書がきちんと整っている企業は、業界内外からの社会的評価も高まるため、取引を求められるようにする営業ツール的な意味も持つことでしょう。
すなわち逆の立場からすると、契約書も作らない、社内文書もきちんとしていないような企業と取引したくないでしょう、ということです。
契約書や社内文書を整備することで本業での地力を補い、場合によってはそれに余りある信頼を獲得できるのです。
私は、このような理由から「逓増する企業を目指して契約書・社内文書を整備していきませんか」とご提案を続けています。
長くなりましたが、今回でこの話題を区切りと致します。
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顧問契約の場合、月々3万円(税別)で
・簡易な契約書等(4ページ程度)の作成
・契約書等のレビュー・リーガルチェック(最大でA4版50ページ程度)
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に対応致します。
詳しくは顧問業務の紹介ページをご参照下さい。
【重要】上記顧問料は平成28年3月31日までのものであり平成28年4月1日から顧問料の値上げを予定しています。
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