昨日の記事では私がこれまで契約書等作成業務に関わってきたのかについてお話致しました。
本日は(企業の)ご依頼者様から見て契約書等がどのような意味で重要なのかについてお話していきたいと思います。
まず、企業を経営されている方(及び個人事業者の方)から見ていい弁護士、使いたい弁護士とはどのような弁護士なのでしょうか。
これについては様々な考え方があるようですが、私がお話をしている中でよく聞かれるのは以下のような弁護士像です。
①訴訟や交渉に勝てる弁護士
②つかまりやすい(連絡がつきやすい)弁護士
③人当たりのよい、話しやすい弁護士
④安く使える弁護士
この中で②については事務所のマネージメント問題として考えられ、④については経営方針の問題だと考えられますので、このあたりの議論は別稿に譲りたいと思います。
また③についてはキャラクター作りの問題ですので、直接的に弁護士の能力にかかわるものではありませんが、私から見ていてもなかなか話しかけるのが大変だなぁと思う先生もいないではありません。
それで本題に戻りますが、ここで注目すべきことは弁護士の能力として評価されるのは①の観点のみ、又はそこまでは言いきれなくともかなり重要なファクターとして考えられているということ、訴訟や交渉の結果という目に見える部分に至るまでのプロセス(準備書面の内容、交渉の戦略等)についてはあまり評価の対象となっていないということです(経過報告や事前の説明等については評価の対象となることがままありますが、ここでは②や③の観点ということと整理させて頂きます。)。
つまり裏を返せば、目に見える結果を出せなければ弁護士として評価されない(されにくい)ということです。
契約書等の作成業務は皆様の認識からするとかなりニッチなものだということになります。
この観点からすると契約書等を作ることやその内容を吟味することで、その後の経営成績にどのように反映されるかは極めて目に見えにくいものです。
むしろ目に見えるということは契約書等のどこかに不備や解釈の余地があり、それが経営上の問題点としてクローズアップされるというような場面であることを意味します。
このように契約書等の作成業務というのは、非常に地味で、ご依頼者様からの評価の対象にされにくく、積極的にコストをかけて頂けるような業務ではないのです。
それでも私が、業務として目立ちやすく、評価の対象となりやすく、コストをかけてでも成功させたいと考えられる訴訟や交渉ではなく、地味で、評価の対象とされにくく、コストをかけて頂きにくい契約書等の作成業務に重きをおいているのは、企業経営において契約書等の整備は必要不可欠であり、紛争が生じた後で解決するよりも紛争が生じる前に予防したほうがコスト的に圧倒的に小さくなり、経営状態の維持・向上のためにも有益であると考えているからです。
だから私は毎日(のように)、経営者の皆様に対して、「きちんと契約書は作っていますか。」「契約書の内容は把握されていますか。」「もっといい契約の仕方がありますよ。」と語りかけているのです。
一方で、私は紛争解決は社会的に必要であると思いつつも、結局はゼロサムゲームであり、社会経済的にはあまり有益なものではないと考えている部分もあるため(といいつつもご依頼を頂ければきちんとやりますが。笑)、この観点からも契約書等の作成業務を中心に据えたいと考えています。
また長くなってきましたので、この話はまた明日に譲ります。
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