投稿日:2016年03月26日

【札幌 弁護士コラム】私(荒木)が契約書にこだわる理由(ワケ)①

先日、鮒谷周史さんの2日間セミナーに参加したこともあり、本HPのブログ記事の内容をリニューアル致します。
具体的には、これまで情報提供が記事の中心であったことを改め、日常の雑感や書評等も記事にしつつ、柔らかいタッチで(ユルく)書いていきたいと思います。

鮒谷周史さんが作成するHP「平成進化論」
http://www.2nd-stage.jp/

さて、今回は私が業務の中心にしている契約書の作成業務についてです。
契約書がどのような役割を果たすものかという総論、個別の契約書の内容等についてはこれまでも何度が触れてきました、今回は私が契約書作成業務にこだわっている理由についてお話したいと思います。

私が異業種交流会等に行くと、初対面の方から中心的業務について「何が得意なんですか?」と訊かれることがよくあります。
これに対して私が契約書作成であることをご説明すると結構な確率で「はぁ…そうですか…。」というどうも腑に落ちないような反応をされます。
このような反応をされる原因は2つあるように考えています。
まず1つは、弁護士の得意分野というと、離婚とか交通事故とか債務整理とかそのような回答を期待されているということが挙げられます(そもそもそれ以前に民事か刑事かという括りをされることもあります。)。
またもう1つは、契約書の作成が行政書士や司法書士(人によっては社労士や税理士の業務と考えられている場合もあります。)の業務と思われており、弁護士の業務と思われていないということが挙げられます。

もちろん私も離婚とか交通事故とか債務整理とかのような紛争解決業務も行なっていますし、行政書士であれば業として契約書の作成ができます(他の士業の方については厳密に言うとどうかという部分は残りますが…。)。
しかし、私は契約書の作成については弁護士が関与すべき領域と考えており、かつ弁護士の資格があれば誰でもできるものではなく、研鑽と経験とセンスが問われる業務領域ではないかと考えております。

契約書は紛争を未然に防止するために作成されるものであり、紛争がどのように発生し、どのように解決されるのかということに理解がなければ本来的に満足なものは作成できません。
この点、(通常の)弁護士は日常業務において数々の紛争に触れ、紛争解決を行っていることから、これらの実務経験が契約書作成のノウハウにも反映されます。

しかしながら、弁護士といっても資格を得るまでの過程(法学部、ロースクール、司法試験、司法修習)において十分に契約書作成に関する教育を受けているとはいえません。
このため、弁護士資格を得てからどこの事務所で、どれだけの数の、どのような種類の契約書を作成してきたかがその精度に大きく関わることになります。

私の場合、最初に入った森・濱田松本法律事務所(東京にある大手法律事務所)では主にファイナンス分野の部署に配属され、業務のかなりの部分が契約書、社内規程類、上場有価証券に関する書類(有価証券報告書、有価証券届出書等)等の作成によって占められていました。
このような書類は、1つのものが200頁を超えるようなものもままあり、かなり複雑なものもありました。
このため、私はこの時期に契約書のてにおは、文章の表現方法、リスクの察知とそのリスクへの書面上の対応方法、契約書の交換を通じた相手方との交渉方法の大部分を学びました。
今となってはかなり貴重な経験をさせてもらったものと考えております。
一方でこの頃はほどんど訴訟等の紛争解決に絡むことがありませんでした。

その後、札幌に移籍した後は離婚とか交通事故とか債務整理とかのような紛争解決業務が中心となり、契約書等の作成業務は減少しました。
業務があるとしてもさほどの量ではなく、業務の中心になるとはいえないものでした。
またご依頼を頂く場合であってもお客様から「それほど手間をかけないでいいからコストを抑えて…。」というようなお話を頂くこともありました。

しかし、契約書等の作成は企業運営の基本となるものであり、本来は絶対に必要となるものです。
私がこのような信念、信条をを吹いて回ってきた結果、段々とご依頼を多く頂くようになり、業務の中心を占めるようになってきました。

少し長くなりましたので、私が契約書等のどのような重要性にこだわっているかについては明日以降の記事に続けます。

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