投稿日:2016年01月21日

【札幌 弁護士コラム】業務委託契約書のポイント②

③契約期間・納期
業務委託の内容によりますが、契約期間や納期の定めをしておくべきことが往々にしてあります。
労務の提供を受けるような場合であれば契約期間をきちんと決めておくことが必要になります。
継続的契約とする場合には、契約書を作りなおす手間を省くため自動更新条項を入れておくのが望ましい場合があります。
また、成果物の完成を求めるような場合であれば納期を定めておく必要があります。
納期に納品が遅れたような場合には損害賠償を求めることができます。
納品が遅れたら重大な支障が出るようなときには違約金(損害賠償額の予定)の定めを置いておくことも有効です。

④雇用契約との違いは?
業務委託(請負)の場合には受託者に対して指揮命令を行えないのに対し、雇用契約の場合には労働者に対して指揮命令を行うことができます。
雇用契約の場合には労働法(労働基準法等)が適用されるため、人を使う側が守らなければならないルールが増えることになります。
契約書名が「業務委託契約」となっていても内容が指揮命令権を伴うものであれば雇用契約と見なされますし、契約書の内容が業務委託といえるものであっても、実際の現場において指揮命令を行っていると見なされれば雇用契約のルールが適用されます。
どこまでが業務委託でどこからが雇用かという問題は極めて難しい問題ですが、一つの手掛かりとして「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(昭和61年労働省告示第37号)」というものがあります。
これはどこまでが請負と見なされ、どこからが労働者派遣事業と見なされるかの行政解釈を示したものですが、ここでは①業務遂行に関する指示・管理、②労働時間の管理、③服務上の規律、④配置等の決定及び変更、⑤業務に要する資金の負担、⑥業務の処理に関する法的責任等を基準に判断するものとされています。

(つづく)