業務委託契約はB to Bの世界では一番多く結ばれている契約かも知れません。
実際には業務委託契約が結ばれているにもかかわらず、契約書を作成せず、注文書と請書や請求書だけで済ませていたりする場合もあります。
しかし、いざ業務委託料の支払いがなかったり、成果物に問題があったような場合、契約書がないと法的な手続(訴訟など)がうまく進まない場合も発生してしまいます。
そこで今回は業務委託契約書を作成する場合のポイントをご紹介します。
①雛型を使ってよいか?
契約書を自社で作成しようとする場合、インターネットで雛型を拾ってきて必要箇所だけを修正するようなことがおこなわれています。
しかし、業務委託契約書は、委託内容、業界の商慣習、委託料の支払方法、契約当事者の力関係などによって内容が大きく変わることがあります。
また、業務委託契約書を作成するのは委託者であることが多く、そのため委託者に有利な条項が含まれていることが多く見受けられます。
受託者側の立場で業務委託契約書を作成する場合には、委託者に不当に有利な条項が入っていないかをチェックする必要があります。
このようなことから安易に雛型を使って業務委託契約書を作成することは、意図せぬ契約を結んでしまうことになってしまうため避けたほうが無難です。
②業務内容の定め
委託者としては、業務委託契約を結ぶことによって受託者に行ってほしい業務が明確に存在します。
このため、業務内容の記載としては委託者が真に行ってほしい業務をなるべく具体的に記載することが必要です。
いつまでに成果物を納めてほしいということがあれば納期を明示することや、成果物の内容を細かく決める場合にはその仕様についても業務内容として合意しておく必要があります。
あまりにも内容が多くなってしまう場合には別紙を添付する場合もあります。
また、業務委託契約締結の段階で細かいことが決まっていない場合には、決まっていることを明確に契約書に記載した上で、「●●は別途合意する」といったような記載を行い、後の協議につなげていく事が必要です。
(続く)