投稿日:2015年12月01日

【札幌 弁護士コラム】家族信託ってなんだろう?(11):家族信託に関係する書類③

⑥不動産登記(信託目録)
書類そのものではありませんが、不動産を信託する場合には不動産登記上において、原因を「信託」として所有権移転の登記がなされるとともに、信託目録が作成されます。
信託目録は信託が設定されている不動産に限って作成されるものであり、信託契約の主要な内容、委託者名、受託者名、受益者名が記載されます。
これにより、不動産が信託されていることとその内容が公示されることとなります。

⑦株主名簿(信託財産の表示)
一方株式が信託された場合には、株主名簿において株式が信託財産に属していることの表示がなされます。
これは株式を発行する会社に対しての対抗要件となります。

⑧その他書類の修正
作成することが必要な書類の主要な部分は上記の各書類ですが、信託によって信託財産の所有者が委託者から受託者に変わることによって種々の書類の修正が必要となります。
例えば収益不動産の場合には、従前、委託者が賃借人に対して賃貸していたものが、信託が設定されることにより受託者に賃貸人たる地位が引き継がれます。
この場合に、特に契約上の手当を行わずとも当然に地位の引継ぎが行われますが、賃料の支払先が変わることになるなど、信託された事実を賃借人に通知する必要があります。
管理会社を通じて管理している場合には管理会社に通知を行うことが必要です(その前提として管理会社との契約を受託者に承継する必要があります。)。