投稿日:2015年11月27日

【札幌 弁護士コラム】家族信託ってなんだろう?(9):家族信託に関係する書類①

家族信託はこれまで説明してまいりましたとおり、基本的に委託者と受託者との間の契約によって成立するものです。
しかし家族信託はこの契約書だけで成り立っているわけではなく、様々に関係する書類が出てきます。
今回は家族信託ではどのような書類が関係してくるのかをご紹介します。

①信託契約書
家族信託の基本は上記のとおり委託者と受託者との間の契約ですが、これを信託契約といいます。
簡単に言えば委託者が一定の財産を受託者に預け託す契約ですが、受託者が受益者のために財産を管理することや、一定の条件によって受益者が変わったり、信託が終了したりするなど、様々な考慮要素が詰まっている契約です。
家族信託を設定する場合には必ず作成されます。

②受益権譲渡契約書
信託契約を結んだ上で、受益者が誰かに受益権を譲渡する場合に作成されます。
節税目的で法人に受益権を移したり、受益者が短期的に金銭が必要となるような場合に受益権譲渡が行われます。
譲渡という言葉には有償譲渡と無償譲渡(贈与)が含まれますが、無償譲渡の場合や有償であっても受益権の評価額と対等でない場合には贈与税や譲渡所得の問題が発生するため、家族間で譲渡する場合であっても、譲渡価格の検討なく譲渡してしまうと思わぬ税金がかかってしまうことがあるため注意が必要です。

(続く)